ひとり会議

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中』、2巻になってもやっぱり考え中…。

 

出たあ!

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好きすぎてwebの連載(亜紀書房 ウェブマガジン「あき地」)は一切見ずに、単行本の発売を待ち続けていたら、3年も経っていたらしい。

近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中』の新刊どえす!

 

3年の間、恋人だったアメリカ人と結婚して、引っ越して、義理の娘が大学生になったりと大きな変化があるものの。

基本的には1巻と同じく日常の体験やそれについて思ったことなど、つまりとても些細な話(本人曰く『「だからなんだ」という話』)が多い。

だけどこれが絶妙におもしろいのだな。

舞台がニューヨークというのもあるだろうけど、おそらく近藤さんが日本に住んでいたとしてもおもしろいと思う。

 

それは1巻ではあまり感じなかったけど題名にもある「考え中」がこの本のキーワードなんじゃないか。

「移動の途中で」という回の言葉を引用してみる。

 

移動中の考え事は連想ゲームのようである。

子供のころのお正月のこと 一年前のこと(略)

そしていつの間にか 来月描くマンガのネームのこと 来年作るアニメーションのこと 死ぬまでにあとどのくらい作品を作れるのか? 

そんなことをぼんやり考えている。

……そういえば昔から考え事は移動中にしていたな

……日本から飛行機で十三時間か

私は移動中の気分でここに住んでいるのかもしれない

 

街を歩きながら、電車に乗りながら、近藤さんはいつも何か考えている。

私もよく寝る前にぼんやりと考え事をするが、すぐに何を考えていたのか忘れてしまう。

この本はそんな現れては消えていく考え事を見事に紙の上に定着させてしまっている。

家族や友人に囲まれていても、考え事は一人でしかできないのだ。

内容は人によってはつまらないかもしれないけれど、繊細で貴重な作品だと思う。

 

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