Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

失われた味を求めて─「ルネサンスごはん」のこと

 

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最近、料理が趣味ですと言っていいほどだと思う。

つくっているのはもっぱら「ルネサンスごはん」だ。

パティシエの弓田亨さんが日本の家庭料理に危機感を覚え、

「日本の食が健全であった子供の頃の母の味わい」を再現した料理法が「ごはんとおかずのルネサンス」である。

 

「ごはんとおかずのルネサンス」でベースになるのは、いりこや昆布、切干大根、大豆、油揚げなど昔から日本で食べられている食材。

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それに現代では失われた栄養素や味わいを補うため、アーモンドやオリーブオイル、腐乳などを組み合わせて、現代風にしている。

今の家庭料理では難しい「灰汁抜きや下茹はしない」や「砂糖・みりんは使わない」「電子レンジ・圧力鍋を使わない」という考え方である。

しかしただの味噌汁にしても、やたらとうまい。味が深い。

「ああ、おいしいなあ…」としみじみしてしまう。

こうなるともう外食ができなくなる。

 

「ごはんとおかずのルネサンス」、こんなにおいしいのになぜ人々に受け入れられないかというと、とにかく面倒くさい。

だしを前もってとらないと何も始まらない。

豆を使うときは前日から水につけておかないといけない。

普通に「ふつふつと15分煮る」とかある。

あと、使う食材の種類が多すぎる。

 

でもこの「面倒力」を越えるほどのおいしさがルネサンスごはんにはある。

料理をしている時間が無駄だとか、苦に思わないのが不思議だ。

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白菜のサラダ 

 

まだルネサンスごはんをつくり始めて日は浅いが、体に変化といえば。

(汚い話で恐縮だが)、便が変わりましたね。

今までは下痢気味で軟便だったのが、きれいな「一本糞」になりました!(何の話だよ…)

本によると、アトピー性皮膚炎が治ったり、不妊症など様々な病が改善されているよう。

続ければどんな変化があるか楽しみです!

 

レシピ本のリード文がいちいち食欲をそそられるので、つくってみようかという気になる。

ちょっと長いが一部を紹介します。

かき揚げ

「これがほんとうの”おっかさんの天ぷら”です。

プロが作る、生っちょろい軽い歯ざわりの衣の天ぷらなんて少しも嬉しくありません。

いろんなものが口中にガヤガヤとあふれる、これが日本の天ぷらの原点なんです」

プレーンオムレツ

「これに何でも好みのままに加えて、楽しいオムレツを作ってください。

ポックリ、フックラ。心と身体に元気が湧いてくる、そんでもなくおいしいオムレツです。

でも子供の頃の味わいの記憶では、昔は何も加えなくても卵だけでこんな豊かな味わいでした。

 

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ある日のお弁当。インスタ映えはしない

 

いま、日本でつくられている農作物は約50年前のものに比べると、栄養素が1/3~1/2に減少しているそうだ。

だからいくら日本の安全な食材を使って料理をしても、昔の味を再現したことにはならない。

レシピを読むだけでもおもしろいのは、想像力が掻き立てられるからだ。

昔の味ってどんなにおいしかったのだろう。

食べたことがないし、これからも永遠に食べることはできない。

もう失ってしまった味だから、想像するしかないのだ。

 

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