Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

ヨコハマトリエンナーレ2017に行ってきた

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*1

トリエンナーレとは「3年に1度開かれる国際的な美術展」のことであるが、 自慢じゃないが横浜には3年前の5回目以外は全部観に行っている。

個人的には、作品もさることながら、事業としてどのくらいの規模かに注目している。

最初の開催は2001年で、それはもう横浜市の命運をかけた一大イベントであった。

なぜなら「横浜トリエンナーレ」が日本ではじめての「国際的な美術展」だったからだ。

会場のパシフィコ横浜と赤レンガ倉庫に内外107もの作家の作品が所狭しと展示され、まさに希望に満ち満ちた美術展であった。

しかし年々規模は縮小し、2008年の3回目のときは「これ、もう終わるのかな?」と思うほどこじんまりとした印象だった。

ここ最近は横浜美術館と赤レンガ倉庫が大きな会場に落ち着いているようだ。

規模感もこのぐらいの方が回りやすくていいと思う。

今回は6回目でテーマは「島と星座とガラパゴス」という。

1回目のテーマが「メガ・ウェイブ」、つまり「日本から、横浜から、大きな波を起こす」であった。

一方、「島と星座とガラパゴス」とは「ガラパゴス島に孤立した日本は世界とのつながりを夢見ている」のが今の気分というところか。

 

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*2

現代美術というと難しそうとか意味がわからないと思う人が大半だろう。

作品ガイドを読んで「ああ、こういう意味ね」と分かっても、本当に作品を理解したとは言いにくい。

私は以前ギャラリーの監視ボランティアをやったときに不思議な体験をした。

そのときは確か「日本人の夫を亡くした外国人の妻」をテーマにしたドキュメント映像作品が展示してあった。

説明用のガイドに目を通しても「ふーん」と思った程度で、退屈な映像作品を観ているのは正直つまらなかった。

しかし30分以上作品に向き合っていると、ふと「ああ、こういうことだったのか」と作者が伝えたかったことに気づき、ちょっと泣きそうになった経験がある。

ずっとアートが好きだったけど、こんなに静かな感動をしたことがない。

 

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*3 

だから気になった作品があれば、長い時間をかけてそこに佇むことをおすすめしたい。

きっと時間をかけるからこそ見えてくるものがあると思う。

逆にピンとこなかったものはガンガン飛ばせばよいのだ。

 現代美術はそれぞれの見方がある。正解はない。

 

太っ腹なことにヨコハマトリエンナーレは全作品が撮影し放題だ。

作品はよくわからなくても撮影だけで充分楽しいと思う。 

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*4

*1:アイ・ウェイウェイ『安全な運行』

*2: ジョコ・アヴィアント『善と悪の境界はひどく縮れている』

*3:畠山直哉『風景』

*4: マウリツィオ・カテラン『無題』

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