Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

坂口恭平さんと同時代に生きているということ─『発光』を読んで

 

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いま、坂口恭平さんの『発光』を読んでいます。

坂口恭平さんといえば、

ホームレスたちの知恵と豊かさを書いた「0円ハウス」や

現政府に文句があるなら新しくつくってしまおうってことで、

熊本に「新政府」をつくり、初代内閣総理大臣となった

「独立国家のつくりかた」なんかが有名ですが、

最近は小説を書いたり、音楽もつくったり、絵も描いている、

ひと言でいうとよくわからん、不思議な人です。

 

『発光』は2011年(東日本大震災から新政府発足)から

2015年(小説家として多忙となる)までの

全ツイートを厳選し、再構成した本だそうです。

まず驚いたのは本文は734ページ、本の厚みは3.5cmもある超大作。

5年間Twitterをしていればこんなに立派な本ができるのか。

ならば私にもできんじゃね?と思ったが、甘ちゃんだった。

 

坂口さんのTwitterの投稿数は、

2011年→4,451ツイート

2012年→15,753ツイート

2013年→10,017ツイート

2014年→10,450ツイート

2015年→13,577ツイート

 

で文字数にするとその数550万字となります(!)

1冊の単行本の文字数はだいたい10万字らしいので、

1年あたり単行本11冊分のツイートをしている計算になります(!!)

1日に27ツイート、5年間続ければこの量に達する計算です…!

 

読書は、文章をゆっくりかみしめ味わいながら読むものと、

音楽のようにニュアンスを味わいながら読むものがありますが、

坂口さんのは完全に後者で、

熱い言葉とスピード感でグイグイと読ませていき、

頭よりもフィーリングで言わんとしていることを理解する感じ。

あっと言う間に読み終わった後は何かやってやろうというエネルギーが湧きます。

『発光』は700ページ以上もあるので、

おもしろいけど、読んでも読んでも終わらない(笑)。

だから、ずっと読んでいられます。

 

私だけではないと思うのですが、

昔の文章って難解で、スラスラと読めないじゃないですか。

それはなぜかって、まず書いてあることは分かる。

だけど書かれた時代の背景や固有名詞、スラングの意味がわからないので、

結局、どういう意味なのかが分からないのではないでしょうか。

 

坂口恭平さんの文章をスピードをもって読めるということは、

彼と同時代に生きているということなんです。

そう考えると今読むべき作家であり、

彼と同世代であることはラッキーだと思います。

50年後の人も、もちろん50年前の人もきっと意味がわからないはずですから(笑)。

 

 

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