Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

よしもとばななの小説は子宮に効く

 

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突然なんですが、昨日流産手術をしまして、

3日は家で安静にしておかないといけないため、

kindleで本を読んだり、amazonプライムのビデオを観たりして

それなりに謹慎生活を楽しんでいます。

 

しかし、寝るか、食うか、ゴロゴロするかなので、

夜が全く眠れない。

iPadは光がまぶしくて全然眠くならないんですね。

午前2時ごろ、読みかけの文庫本を読もうを本棚を漁っていたら

吉本ばななさんの「キッチン」を見つけました。

 

 

 

こちらにも書いていますように、

 

www.hitorikaigi.net

 

私は書店員でありながら、本を全然読まないのですが、

よしもとばななさんは最近ハマっている作家さんなのです

(今さらで大変お恥ずかしいが…)。

きっかけはテレビで、

アートディレクターの森本千絵さんとよしもとばななさんの対談を

観たからでした。

そこで森本さんが、

「よしもとさんの小説はからだになじむ、子宮に効く感じ」

(すごい適当です。間違ってたらすいません)

とおっしゃっていたのがすごく印象に残っていて、

読むようになりました。

 

あと、私は海外旅行が好きなんですが、

仕事のせいで全然行けない。

ゆめみるハワイ (幻冬舎文庫)」とか「まぼろしハワイ (幻冬舎文庫)」を読んで、

旅行に行った気分になれるので非常に楽しい。

  

よしもとさんの小説には

大切な人が亡くなって絶望の崖っぷちにいる人がたくさん出てくる。

「キッチン」も大好きな祖母を亡くした女の子の話だし、

「ムーンライト・シャドウ」も、

大好きな彼を亡くした女の子の話。

突然大切な人を亡くし、ぽっかりと空いた穴はふさがらないけど

また新しい生活がはじまって、

いろいろ葛藤があるけど、やがては前を向いて歩いていこうとする、

そのへんは共通しています。

 

「キッチン」のあとがきで、

よしもとさんは小説を書く理由を

「感受性の強さからくる苦悩と孤独には

ほとんど耐えがたいくらいにきつい側面がある」ことを

「日々苦しく切ない思いをしている」人に届けたい

と書いています。

 

「感受性の強さからくる苦悩と孤独」というのは

非常に女性的な感性だと思うのです。

よく女子は妄想をして楽しみますが、それも感受性が強いため。

逆に悲しいことや苦しいことがあって夜眠れないとき、

あらぬことを考えては涙を流す。

こういう感受性の鋭さは本当に困ってしまいます。

 

よしもとさんの小説の主人公たちはとても繊細、

だけど、あたまで考えた思考ではなく、

こころやからだで考えた言葉のような気がするので、

大切な人を失った主人公たちに共感することができます。

森本さんが「子宮に効く」と表現されているのは、言い得て妙だと思います。

 

ああ、自分も産まれてはきてないけど大切な人を、命を失ったことは、

よしもとさんの小説の主人公と同じではないかとふと思った。

私の心の中にちょっとだけぽっかりと空いた穴は

きっと新しい何かが埋めてくれるだろう。

確かに子宮に効いているような気がする。

 

 

 

 

 

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