Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

本と書店について|books

HYGGE(ヒュッゲ)が今ブームらしい─日本的ヒュッゲはこたつにミカン?

ヒュッゲという言葉がいまブームらしい。 最近ヒュッゲの本が新刊でたくさん出ています。 前からブームの「北欧の上質な暮らし」の本だと思ったらビジネス書のところにも置いてあって、ちょっと違うみたい。 ところで、デンマークといえば世界幸福度ランキン…

また手帳を2つ買ってしまった(2018年)

年末のお楽しみのひとつといえば、来年の手帳選びではないでしょうか。 私は今年に引き続き、石井ゆかりさんの『星ダイアリー』と2年ぶりにマーマーブックスの『わたしの手帖』を購入しました! 手帳って2つあったところで使いこなせないし、正直スケジュー…

農業は知らないことが多すぎておもしろ過ぎる─『タネが危ない』など

妊娠してからというものタブレットで本を読むのもつらくなって、紙の本ばかり読んでいる。 で、どんな本を読んでいるかというと、もっぱら農業(的)な本だ。 はじまりは高城剛さんのポッドキャストで野口勲さんのお話を聞いてからだった。 早速『タネが危な…

「野食喰い」は料理上手である─『野食のススメ』と『山賊ダイアリー』

ある本を買って読んでみようと思うきっかけは、ブログや書評などで紹介していたからとか、書店の店頭で見ていてなんとなく面白そうだったとかが挙げられると思います。 書店員である私が本を買う動機として最も信頼しているのは、お客様なんです。 私のよう…

『三成さんは京都を許さない』を京都人はどう読むか

早いもので京都から東京に引っ越して丸2年が経つ。 自分では京都に対する郷愁や誇りなんてものはなく、実際に1度も京都に帰ったことはない。 ただ、「この店のラーメンをもう一度食べたい」とか「あの店のパンをもう一度食べたい、日帰りでいいから」と思う…

『A子さんの恋人』4巻を読んで─A子さんはなぜA太郎と別れられないのか

近藤聡乃さんの『A子さんの恋人』4巻が出たよー! 今までの巻より分厚いので、え?完結?と思ったが、まだでした。 しかし佳境に入ってます。 A子さんの腐れ縁のK子、U子、I子に新たな動きがあり、あとは「A子さんがA太郎とA君どちらをとるか問題」が残され…

芥川賞の本はなかなか重版しない理由

久しぶりに文芸担当という奴になったのだが、 芥川賞を獲った沼田真佑さんの『影裏』が、 初回の配本はそこそこあったのものの、いくら発注しても重版分が待てど暮らせどやってこない。 割と売れているだけに残念だ。 『影裏』に対する出版社の期待の低さと…

人生の可能性を閉じて生きる─稲垣えみ子『寂しい生活』

稲垣えみ子さん、というよりも「『魂の退社』のアフロ記者の人」の方がピンと来るだろう。 元朝日新聞の記者で、3.11の原発事故をきっかけに節電をはじめ、ついには電気代が月々300円代になり(!)様々なメディアで紹介された人だ。 『魂の退社』は、節電生…

若林がキューバへ行った理由─『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

オードリーの若様こと若林正恭さん(以下「若林」)がいつの間に新刊を出していた。 その名も『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』。 何となく買って読み進めるうちに、これはとんでもなく面白いぞと気づいて、最後にはなぜか泣けてきてしまった。 …

インターネットにない情報を得ること─『多動日記』と『ストリートワイズ』

高城剛さんの『多動日記』に「ミッシングパーツ」という言葉が出てきます。 この言葉に思うことがあったのですが、個人的な気づきをブログに書いたところで、ピンと来ない人がほとんどだろうと思いつつ…書いています。 『多動日記』で興味深かったのが、例え…

平日に一人でスーパー銭湯に行く幸福─pha「ひきこもらない」

いまphaさんの『ひきこもらない』を読んでいます。 pha(ファ)さんは大学を卒業して就職するも「普通の平穏な暮らしが致命的に無理」で会社を退職。 以来、職には就かず10年以上ふわふわと生きています。 とはいえ『ニートの歩き方』の他たくさんの著作があ…

「よまにゃ」と夏の文庫キャンペーン2017

今年も新潮文庫・角川文庫・集英社文庫と、夏の文庫キャンペーンが出揃いました。 近年においては特に目新しさもなく、景品はショボくなる一方で、特にワクワクするようなこともなく、積み上げられた段ボールにげんなりするだけでした。 が、今年は集英社文…

家の本棚がお店になれば?─「Usagi Books」の方向性

BASEで「Usagi Books」をつくってからもう2ヶ月ほどになります。 おかげさまで一定数のPVはあるのですが、お買い上げには至らず…。 個人で、片手間にやっているものなのでこんなものだろうとは思ってましたが、どうせやるなら少しでも売れてほしい。 本のペ…

再販制度が壊れた後の世界─「本の未来を探す旅 ソウル」から学ぶこと

最近読んだ本が内沼晋太郎さん(編著)の「本の未来を探す旅 ソウル」。 この本、出版社からの注文書が来たときから気になっていた。 なぜって他の国の本屋事情を知る機会はあまりないじゃないですか。 「誠品書店」がある台湾なら分かるけど韓国に「本の未…

結局「多動力」とは何なのか?─「多動力」と「多動日記」

楽しみにしていた2冊の新刊のタイトルがどちらも「多動」であったのは偶然なんでしょうか。 1冊目が堀江貴文さんの「多動力」。 もう一冊が高城剛さんの「多動日記」です。 こちらは電子書籍版のみです。 タイトルは似ていますが、内容も、「多動」へのアプ…

編集部の苦悩がよくわかる─「マーマーマガジンフォーメン」と「都市を滅ぼせ」

「マーマーマガジンフォーメン3号」をようやく入手し読んでいます。 特集で中島正さんのことをはじめて知り、いても立ってもいられず「都市を滅ぼせ」を取り寄せました。 (書店から取り寄せるとかなり時間がかかる様子…。マーマーなブックス アンド ソック…

本屋大賞だけじゃない!書店員が注目する文学以外の賞

能町みね子さんが「本屋大賞の対象を小説以外にも広げたら結果がばらけたのでは」みたいなことを言っていて、なるほどそうだと思いました(もとのTwitterが見つけられずうる覚え)。 なぜこのようなことを能町さんが言ったかというと、今年の本屋大賞と直木…

この本、どこに置くべきか ─落合陽一「超AI時代の生存戦略」

書店には毎日たくさんの新刊が入ってきます。 中には、どこのコーナーに置いたらいいのか分からない本がありまして、 迷ったときは原則として著者の肩書きが棚の行き先になります。 例えばホリエモンの本なら教育の本だろうが、グルメの本だろうが、もともと…

自分の本屋をつくる夢が簡単に叶ってしまった

本のページを折る、本文に線を引くなどの読んだ人の「痕跡がある本」と タイトルと内容を伏せて「POPだけで買う本」を販売する 「Usagi Books」という本屋をネットで始めました。 usagibooks.thebase.in ネットショップが簡単につくれてしまう「BASE」でつく…

紙の本の可能性を探して─「Usagi Books」はじめました

西野亮廣さんの「しるし書店」をご存知でしょうか。 「しるし書店」は「店主が読んで、店主が“しるし”を入れた世界に一冊だけの本」を取り扱う古本屋さん。 ただいまクラウドファンディングで、誰もが「しるし書店」を出店できるプラットフォームづくりをし…

ある書店員が「本屋大賞2017」で思ったこと

今年も全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」が決まりました。 恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が14回目となる本屋大賞を受賞。 「蜜蜂と遠雷」は直木賞とのダブル受賞となります。 本屋大賞は毎年新聞にも取り上げられますし、 売上につながる数少ないイベントのひと…

書店員おすすめ それでも産みたい妊娠・出産マンガ

今年に入ってからまた妊活を始めました。 でも相談する友達もいないし、親も遠くに住んでいるし、年齢のこともあるし、不安でいっぱいです。 この不安を何とかしようと、最近は妊娠・出産に関する実録マンガを読みあさっています。 マンガとしては普通に幸せ…

考えない書店は淘汰され、考えた書店だけが生き残る

社会人になって書店に勤め出したころ、休みの日に地元の書店に行きました。 小学校のころからコミックや「りぼん」を必ずここで買っており、思い出のつまった書店です。 久しぶりに見てみると、棚はスカスカ、勤め先の店では普通に平台に積んでいる売れ筋商…

「マーマーマガジン」はなぜ「まぁまぁマガジン」になったのか

3月29日に銀座EDIT TOKYOでのイベント、 服部みれいさんと忍田彩さん「まぁまぁマガジンと詩のはなし」に行ってきました。 ポエトリーリーディング(詩の朗読)がよかったです ! 詩を声で聞く(生演奏付き)とこんなにも思いが伝わるなんて。 おもしろい体…

ブログのネタに困ったときは─池上彰「書く力」を読んで

今読んでいる本はこちら。 池上彰・竹内政明の「書く力」です。 最近、「遅れてきた池上彰ブーム」が自分の中で起こっていまして、 池上さんの文章って本当にわかりやすくて読みやすいんですね(笑) 本当にあまのじゃくな性格は損しますわ…! 竹内政明さん…

【書店の噂】書店業界の合併や買収が進んでいる

「TSUTAYA」の母体であるCCCが出版社の徳間書店を買収しました。 新聞にも大きく報道され、事態の大きさが感じられます。 「TSUTAYA」のCCC、徳間書店買収を発表 :日本経済新聞 CCCは徳間書店以外にも出版社を買収しており、 連結グループ会社を…

「逃げ恥」の「呪い」について─自分でかけた呪いを解く方法

「逃げ恥」の9巻(最終巻)が出た。 ドラマの方は、見始めるタイミングを失ってしまい、 結局全く見てないので、どこまで原作に忠実なのか知りません。 まして「恋ダンス」がどういうダンスなのかも知りませんが、 「逃げ恥」が「少女マンガ」という枠を越え…

新しい「レイヤー」をつくろう─坂口恭平「独立国家のつくりかた」

坂口恭平さんの「発光」を読んでいたら 「レイヤー」という考え方が気になって 「独立国家のつくりかた」を読み直している。 「レイヤー」とは「層」のことである。 アドビのIllustratorやPhotoshopを使っている人ならご存知の 「レイヤー」機能の、あのレイ…

坂口恭平さんと同時代に生きているということ─『発光』を読んで

いま、坂口恭平さんの『発光』を読んでいます。 坂口恭平さんといえば、 ホームレスたちの知恵と豊かさを書いた「0円ハウス」や 現政府に文句があるなら新しくつくってしまおうってことで、 熊本に「新政府」をつくり、初代内閣総理大臣となった 「独立国家…

友達がいない人たちの物語─「MONKEY」vol.11「ともだちがいない!」

以前、iPhoneのトラブルがあり、 Apple IDをリセットしようとしたけど、どうしてもできなかった。 しょうがないので、Appleサポートに電話したところ、 あらかじめ設定した「秘密の質問」に答えてくださいとのこと。 「子どものころに住んでいた街」─ これは…

本屋さんをはじめました

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