Hitorikaigi Journal

読書が本からkindleに変わった書店員の一人会議録

「うつくしい自分」の先にあるもの─服部みれいさんの『うつくしい自分になる本 SELF CLEANING BOOK3』

 

待ちに待った新刊を買いにいくため、少し大きな街の書店へ出かけた。

 

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服部みれいさんの『うつくしい自分になる本 SELF CLEANING BOOK3』だ。

この本は、「あたらしい」「自由な」に続く「SELF CLEANING BOOK」の第3作目となる。

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こちらが既刊本。両方、ちくま文庫になってます。

(ちなみに私は単行本も両方持ってます!)

 

私は冷えとり健康法をはじめ、これらの本で紹介されている様々な知恵をいろいろ試した。

すると自分自身が変わっていくのを感じたし、いつの間に周りの環境も変わった(いい意味で)。

「SELF CLEANING BOOK」は一貫して、こころやからだが自然に戻る、本来の自分に戻ることが「あたらしい自分」であり「自由な自分」であり「うつくしい自分」であると伝えている。

「あたらしい自分」や「自由な自分」や「うつくしい自分」って、むやみに消費したり、自分を偽ったり、人と比べたりしなくてもいいんだ…。

こんな簡単で楽なことだったのか!

というわけで「SELF CLEANING BOOK」は私にとってバイブルのようなものなのである。

 

これまで紹介された主な知恵をちょっと紹介すると…

『あたらしい自分になる本』(1作目)→冷えとり健康法、アーユルヴェーダ、白湯、アファメーション、瞑想、ホ・オポノポノ

『自由な自分になる本』(2作目)→呼吸法、布ナプキン数秘術、前世療法

 

そして新刊の『うつくしい自分になる本』では砂浴、お手当、インナーチャイルドのこと、あと「豊かさ」とは何か?というようなことが書かれている。

3作目になると、具体的な事柄ではなく、目に見えない世界のお話が大半で、

そう、つまりはかなりスピ(スピリチュアル)っているのだ…!

私たちの知らない知恵、新しい世界をもっと、もっと欲しい!となると「目に見えないもの」にならざるを得ない。

 

これらの本に載っている知恵はすべて著者の服部みれいさんが体当たりで試したものだ。

これをやらないとダメと強要するのではなく、「やってみたらけっこう楽しかったよ」みたいなスタンス。

「SELF CLEANING BOOK」は服部みれいさんが著者というよりも編集者であるかのような本だ。

 

『うつくしい自分になる本』をもって「SELF CLEANING BOOK」シリーズは完結らしい。

残念だけれども賢明な判断とも思える。 

今後、服部みれいさんはどんな本をつくるのだろう。

私的には『アナスタシア』みたいなちょっとスピリチュアルな小説とか描いてほしいな。

 

散歩していると「働くって何だろう」ということをよく考える─『きんいろのアファメーション帖』

 

気がつけば産休に入って2週間以上がたつ。

最初は「やることないな〜」と思っていたものの、毎日散歩を2時間(午前の散歩と午後の散歩に分ける。うち30分は書店で新刊のパトロール)、そして半身浴を1時間していると、1日があっという間に過ぎていく。

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今は桜が満開で散歩が楽しい。

一人で散歩していると「働くって何だろう」ということをよく考える。

昼間からブラブラ歩いているのは、子育て中のお母さんか老人ばかり。

休職中とはいえ多少の罪悪感を感じる。

しかし休職を通して自由な時間というのは「苦痛」ではなく、思いのほか楽しいことに気づいてしまった。

 

社会人になって会社へ毎日通うのは当たり前だと思っていたけれど、それは選択肢のひとつであることに気づく。

例えば『月3万円ビジネス』のように「月3万円の仕事を5つ持つ」生き方とか、

『減速して自由に生きる:ダウンシフターズ』のように「小さく自営して、必要以上に儲けないようにする」

など生き方には多様性がある。

いつからか私たちは、働くことは「お金を得る=生活をするため」なんだからイライラすることも、嫌いな人と働くのもしょうがないし、不条理なこともときに受け入れなければならないと思っていた。

本当に自由に使える時間もお金もなく、この先もずっとこんな感じだ。

まるで奴隷のようだとも思う。

しかしいろいろな働き方が当たり前になれば、昼間からブラブラしていることに罪悪感を持たなくてもいいはずだ。

いずれ私もお金に振り回されない働き方をしてみたい、そのためにどうすればいい?と考えるようになった。

 

ちょうどそんなとき「エムエム・ブックス」から届いたのが、こちらの『きんいろのアファメーション帖』。

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アファメーションとは、英語で「肯定」「断言」を意味することば。

自分の願望を肯定的に宣言して、現実に叶える方法です。

一般的な願いごととの大きな違いは、「願望がすでに叶っているかのように表現する」ということです。

(以上『きんいろのアファメーション帖』から引用)

 

すでに服部みれいさんの著作でアファメーションのことは知っていたが、自分でやろうと思うと何も出てこない。

自分の願望が何なのか考えたことはないから思いつかないのだ!

でも、この手帖の設問に答えていけば、自ずと自分の願望を知ることができる優れものだ!

この手帖、発売してすぐ品切れになるほどの人気だったそうだが、めでたく重版となり手に入れることができた。

しかも税抜き390円(サンキュー価格)!

手帖の帯には「願うから叶うのではなく、叶うから願うのだ!」とある。

明日は新月アファメーションには最高の日らしい。

 

産休に入って思うこと─欲しい本がそこにない問題

 

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出産予定日からあと6週間となり、ようやく産休に入りました。

書店の仕事というのは、重いものを持つことが日常で、接客業なので、立ち仕事なのであります。

妊娠中とはいえ、業務内容が変わることもなく、日に日に大きくなるお腹(お腹がつっかえて段ボールの隙間が通れない)。

自分でもびっくりするほどの近すぎる体力の限界(あと尿意の限界も近い!)。

終わらず翌日に持ち越される仕事たち…。

歩くだけでもきついのに、よくがんばったと思う。

日常業務がきつくて、引き継ぎはろくにできませんでしたが…。

まあ、そんなことはすぐ忘れるから大丈夫!

 

ということで、社会人になって以来の長期休暇です。

でも本っっっ当にやることがない(笑)

寝ることと食べることが生きがいになっています。

1日のほとんどがソファと一体化しています。

考えてみると、1年以上も仕事をしなくてよいというのは、「ヤッター!!!」と思う反面、「怖い」ような気がするのはなぜでしょう。

きっと休み慣れていないんでしょうね。

残された自分だけの時間、1日のリズムを早くつくって楽しく過ごしたいと思います。

 

産休中に掃除や手芸などやりたいことを夢見ていますが、現実的には心ゆくまで読書をしたいです。

後悔しているのは、産休前に読みたい本を買いだめしておけばよかったこと。

いま、近所の書店に行っても読みたい本が全然ないことに絶望を感じています。

 

今までは、新刊の荷物を仕分けするときに欲しい本と出合える。

欲しい本がなければ、自分で発注できる。

これってすごいいい環境だったのだな、と。

今は、近所の書店に注文する勇気もなく、かといってamazonで注文というのも、書店員的に負けのような気がする。

ということで用事のついでに寄った青山ブックセンターでお買い物祭りとなってしまった。

カバンが重い……。でもいい本屋さんに行くとやはり楽しいな…!

 

 

水道管が凍結して気づいたこと

 

ちょっと前の話ですが、1月26日私が住んでいる東京・八王子では最低気温が-7.8℃を記録しました。

その日、お昼から出勤だったので、いつも通り遅めに起きて、トイレに入ると水が流れない。

「ん?? なんでハンドルがゆるゆるなんだろう??」

水道管が凍結してしまったことに気づくまで、寝ぼけていたせいか、しばらく時間がかかってしまいました。

 

幸い、非常用の水があったので(ペットボトル2Lが10本ほど)パニックということはありませんでした。

 

さて、その日家を出るまで、何Lの水を使ったのでしょう。

朝の食事や飲み水に1L、顔を洗ったり、歯みがきに1L。

つまりペッドボトル2Lを1本で充分だったのです(食器は洗わずに放置ですけど)。

一番困ったのはトイレでした。

朝、起き抜けのお小水が流れずにそのままになっています。

ネットで調べてみると、1回トイレの水を流すには、最低でも6Lの水が必要とあるではないですか!

貴重なミネラルウォーターを3本も使うわけにはいかないので、旦那さんには申し訳ないですが、放置してきました…(ちなみに1Lぐらいの水で流してみましたが全く効果なし)。

しかし、半日生活して、一番水を使うのがトイレだったとは意外。

例えば歯みがきだと、口をすすぐとき、水を出しっぱなしにするのではなく、コップの水で口をすすげば、水は少しで済みます。

一方、トイレや洗濯機などは便利ですが、どのくらいの水を使っているのかが目に見えないし、想像もつかないし、しかも加減もできないというのは、恐ろしいことでもあるなと思いました。

 

その日の夕方には水が出るようになったようなので、断水はほんの短い時間でした。

今年の東京の積雪にも驚きましたが、水道管が凍結するなんて今まで想像したこともありませんでした。

蛇口をひねれば水が出るという当たり前のことが、本当は(世界的にみても)当たり前ではなかったのです。

水のありがたさをひしひしと感じると同時に、トイレの水を流すのに6Lも水を使う必要があるのかと疑問に思いました。

 

いま、『ぼくはお金を使わずに生きることにした』のマーク・ボイルさんの新刊、『無銭経済宣言』を読んでいます。

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前作のようなノンフィクションではないので内容がかなり難しい…。

後半は実際にカネなしで生活するためのノウハウが載っていて、実践できるほどの技術も心構えもまだないけれど、いつかはオフグリッド(電線が通っていない家)で生活したいと夢をふくらませています。

本書からトイレの章を引用します。

水洗トイレは、現行の文化と思考回路に見られる病んだ精神のいっさいを象徴している。命を与えてくれる液体(水のことですね*引用者註)のなかに大小便をしてだいなしにしているのだから。

この章を読んだときは「そうなのかな?」という感じだったけど、今なら現実味を持って「そうかもしれない!」と思える。

 

 

近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中』、2巻になってもやっぱり考え中…。

 

出たあ!

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好きすぎてwebの連載(亜紀書房 ウェブマガジン「あき地」)は一切見ずに、単行本の発売を待ち続けていたら、3年も経っていたらしい。

近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中』の新刊どえす!

 

3年の間、恋人だったアメリカ人と結婚して、引っ越して、義理の娘が大学生になったりと大きな変化があるものの。

基本的には1巻と同じく日常の体験やそれについて思ったことなど、つまりとても些細な話(本人曰く『「だからなんだ」という話』)が多い。

だけどこれが絶妙におもしろいのだな。

舞台がニューヨークというのもあるだろうけど、おそらく近藤さんが日本に住んでいたとしてもおもしろいと思う。

 

それは1巻ではあまり感じなかったけど題名にもある「考え中」がこの本のキーワードなんじゃないか。

「移動の途中で」という回の言葉を引用してみる。

 

移動中の考え事は連想ゲームのようである。

子供のころのお正月のこと 一年前のこと(略)

そしていつの間にか 来月描くマンガのネームのこと 来年作るアニメーションのこと 死ぬまでにあとどのくらい作品を作れるのか? 

そんなことをぼんやり考えている。

……そういえば昔から考え事は移動中にしていたな

……日本から飛行機で十三時間か

私は移動中の気分でここに住んでいるのかもしれない

 

街を歩きながら、電車に乗りながら、近藤さんはいつも何か考えている。

私もよく寝る前にぼんやりと考え事をするが、すぐに何を考えていたのか忘れてしまう。

この本はそんな現れては消えていく考え事を見事に紙の上に定着させてしまっている。

家族や友人に囲まれていても、考え事は一人でしかできないのだ。

内容は人によってはつまらないかもしれないけれど、繊細で貴重な作品だと思う。

 

2018年に読みたいブックリスト

 

あけましておめでとうございます。

妊婦ぶりが佳境に入ってきまして、なかなかブログが書けない(というか本が読めない)状態になっております。

そのうえ、自給自足したいとか都市生活から抜け出したいとか考えるようになり、その手の本ばかりに目が向いて、書店のベストセラーなんかには目もくれなくなってしまいました…。

 

で、今年の目標ですが、

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ただいま愛用しているマーマーブックスの『わたしの手帖』です。

こちらには取り外しのできる「付録編」が入っておりまして、「わたしと出合うためのブックガイド」が掲載されています。

「ホリスティックな知恵を深める本」から「恋愛、結婚、パートナーのことで悩んだら」や「都市脱出のすすめ」など100冊以上紹介されています。

実際に服部みれいさんが選んだであろう、そのリストは見ただけでワクワクしますね。

どれもおもしろそうなので、今年はリストに載っている本を片っ端から読んでやろうと思っています。

 

そしてまずは「都市脱出のすすめ」に載っていた『ぼくはお金を使わずにいきることにした』を読んでいます。

これ、まだ途中ですがめちゃくちゃおもしろいです。

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なぜ著者が「1年間お金を使わずに生活する」ことをはじめたかというと、なにも話題になりたいとか、そういうのではなく。

「…お金という概念全体が、不平等や環境破壊や人間性軽視を助長するようなシステムを下敷きにしている」

というのです。

ニュースでは「バブル期ぐらい景気がよい」なんて言っていますが、全く実感がわかないばかりか格差はどんどん広がっている実感があります。

好景気という割には国の借金は増え続けているし、経済は拡大しているように見えて、実際は無駄なものをつくっては、捨て、いたずらに地球環境を破壊しているだけなように思えます。

この(破滅に向かうしかない)空虚なゲームにおいて賢明なのは「ゲームから降りる」ことなのかなって思います。

その道のりはかなり困難でしょうが、様々な本から、先人の知恵から実践していきたいと思う2018年初頭なのでした。

 

 

自分が食べたいものを食べる自由─稲垣えみ子『もうレシピ本はいらない』

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前回に引き続き、またレシピ本になってしまった。

どうやら私は「昔の味」が知りたくてしょうがないらしい。

 

稲垣えみ子さん、都会にいながらにして電気を全く使わない生活をしている。

www.hitorikaigi.net

電気がないということは、必然的に冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器などが使えないということだ。

一体どうやって料理をしているのだろう??

稲垣さんは電気のなかった江戸時代の食生活を知るために、時代劇の食事シーンを参考にしたそうな(そこがすごい)。

結果、基本は毎日「メシ、汁、漬け物」となった。

 

なんて地味でつまらないのだろうと思いました?

こんなくだりを読んでみると、どんな味か試したくなりませんか?

 

「そうご飯って、甘いのだ。実に。

でもそれは、ケーキのようななにはせずとも先方から「ほら甘いよ、甘いよ」と分かりやすく迫ってくる甘さなんかじゃない。

そうじゃなくって、こっちから取りに行かなきゃわからない甘さである。

暗い洞窟に放り込まれ、何があるのか注意深く手探りで奥へ奥へと少しずつ進み、そこにひっそりと佇む甘さにようやく気づくのだ。」

 

「時代劇をよく見ればわかります。どんな貧乏人でも、食事の時間は実に幸せそうで、さらによく見るとその幸せは、味噌汁を飲んだ時にピークに達するのがわかります。

味噌汁をずーっとすすった瞬間、誰もが表情をふわっと和らげる。いやホント。」

 

地味に見えるけど、とても豊かで、稲垣さんが食事が楽しみでしょうがない感じが伝わってくる。

稲垣さん曰く、「美味しいものは飽きる」らしい。

確かにおいしい味噌汁はそれだけでごちそうになるし、全っ然飽きない

(詳しくは「失われた味を求めて─「ルネサンスごはん」のこと - Hitorikaigi Journal

を)。

 

そう考えると、外食ってのは不自由なものだ。

例えば、居酒屋の宴会コース。これでもかというほどお皿が運ばれてくる。

最初に腹持ちのいい単価の安そうなものが来るので、最後の方のメインディッシュやごはんはいつも食べれなくなってしまう。

(最後のデザートはきっちり食べますが)。

同様のことが、旅館の豪華な夜ごはんにも言える。

お腹がパンパンで味のことなんてなにも覚えていない。

 

特別なときに関わらず、外食したとき、

「定食のこのおかずはいらないから値段安くしてほしい」とか

「このおかずは食べたいけど、この半分でいいんだよなあ」とか

「今日は胃がもたれているから、味は薄めにしてほしいなあ」とか思っていても、お店では対応することができない。

これってよく考えると不自由だよなあ。

 

稲垣さんがこの本で一番言いたいことはこんなことだ。

「自分の食べるものを自分で作る。それは、自由への扉だ。」

 

もちろん家族がつくってくれるご飯はおいしい。

食べたいものを外食するのもいい。

それになんとなく違和感を感じたとき、自分でつくれるという自由もあることを知っておくのはなんとも強いことだ。

 

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